
わたしがはじめて「ドグラ・マグラ」を読んだのは
高校3年生のときだたっと記憶しておりまして、
それは角川文庫版で、表紙が米倉斉加年によるものです。
妖艶です。ちょっぴりエッチです。そしてなにより怖いです!
上下巻なのですが、チャカポコあほだら教がなかなか長く、
終わったと思ったら今度は無声映画の弁士風演出があったり、
昔々の中国の話しに飛んだり、取り止めがないような内容に
めくらましをくらった18歳のわたしは、一体その後どうしたでしょう。
…友だちにその本を貸しました。貸すような本なのでしょうか。
彼女はおそらく『あほだら教』あたりで挫折したと思いますが、
返すに返せず、そのタイミングを失ったのではないでしょうか。
要はその本は戻ってこなかったわけです。
次にであったのは、三一書房版の「夢野久作全集」でした。
三一書房版の第4巻がまるごと「ドグラ・マグラ」でした。
これもなんどか読み返しました。
そうすること15年以上の月日が流れ、わたしは古本で
復刻版の「ドグラ・マグラ」に出会います。
これがその復刻版です。

函です。この絵はモヨ子なのでしょうか。
納得しかねるものがないではありません。

函から出して立てて見た感じです。
白衣の女性は誰なのでしょうか?

扉です。わくわくしてきますね。否が応にも期待感が高まります。

奥付も復刻版です。
この頃の奥付には、本名を載せるのが慣例だったようです。
肝心の内容ですが、何度読んでもラストの壮絶さには圧倒されます。
壮大な夢…それも悪夢を延々と繰り返す無限地獄のような状況は
凄惨というしかないのですが、最後まで読ませる魅力を持っているのは
正木博士の名調子や登場人物の人間らしさのおかげではないかと思います。
読後感のいい本とは言いませんが、ただただ悲惨なだけの物語ではないです。
現在、入手できる「ドグラ・マグラ」にはいくつかバージョンがあります。
わたしはよく知らなかったのですが、伏字をとっぱらった完全版といえるものが
ちくま文庫版「夢野久作全集」第9巻ということのようです。
久作自身も手にした春秋社版(先に載せた復刻版)には
自主規制と思われる伏字が存在し、流布本ではそのままになっているのですが、
ちくま版は福岡の杉山文庫に残されている校正紙から起こしなおしたという
ことなので、完全なものをお求めの場合はちくま版ということになります。
ところで余談ですが、先の三一書房版「ドグラ・マグラ」は
別の友人に先日差し上げてしまいました。
復刻版持ってるしーと思いまして…。三一版も伏字はそのままです。
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●日本探偵小説全集 (4)
夢野 久作 
創元推理版。探偵小説全集のうちのひとつです。
ココの全集は、なんと言っても解説が嬉しい。
●夢野久作全集〈9〉
夢野 久作 
信憑度が最も高いちくま版。
●ドグラ・マグラ (上)
夢野 久作 
●ドグラ・マグラ (下)
夢野 久作 
角川版。上下巻なので、かさばらないのがいいかも。
●ドグラ・マグラ
夢野 久作 
社会思想社版。表紙のクレイジーさがピカ一です。こわいー。
その他、ハヤカワ版・三一書房版・沖積舎版(復刻)がありますが
古本屋さんで比較的入手しやすいです。