クロフツの1927年の作品です。
ちょっと今までのクロフツとは一味違う!と思いました。
ドラマチックな要素が多いから?とも思ったのですが、
アリバイ崩しがないじゃないですか!
これは珍しい。
そして、ラストがビックリしました。いや、臭いとは思っていたけど
うむむ、そういう展開かー!、と。
この本の巻末には、「クロフツ談義」が載っていて
なんだよぅ、そんなにクロフツって退屈かよー、と思うような
意見もあったのですが、そんな中、紀田順一郎氏の意見に同感でした。
紀田氏は、クロフツを「一作一作、工夫したあとが見られる作家」と評し、
その遍歴からクロフツの心理の推移を推理して見せ、
「この人はどうやってこんな小説を書いたのだろう」と
興味を抱くも、ほとんど知られていないことに驚く、とありました。
この巻末の付録も併せて「スターヴェルの悲劇」を読むと
クロフツがこれまで積み上げてきたものから、
工夫を凝らして新しい面を開拓しようとした点が
感じられる気がしました。
クロフツは、とても真面目な作家だなぁと思います。
スターヴェルの悲劇
F.W. クロフツ 大庭 忠男 