終戦を告げる玉音放送を聴きながら、
「さあ、これからだ」と意気込んだ逸話があまりにも有名な、
横溝正史戦後第一作です。
戦時中、かの作家がいかに抑制され続けてきたかが
わかる描写が、随所に織り込まれています。
探偵小説に対する愛情が、そこかしこにほとばしっている、
横溝正史の傑作のひとつ。
こういう作品は、一生に一度しか書く機会ってないんじゃないかな。
社会情勢や、作家の年齢、好奇心の高まり、成熟の手前。
みずみずしさに溢れています。
「書く喜び」に満ちていると思いました。
本陣殺人事件
横溝 正史 
角川文庫版です。
おなじみの中島河太郎さんの解説が、なぜか新装版になってから
収録されなくなったので(権利の問題?ぜひ再録して欲しいものです…!)
この作品が描かれた背景などが理解しづらいかな。
純粋に作品だけを楽しむ向きの方には、逆にいいのかもしれません。
(わたしは解説好きなので、物足りないっす…)
横溝正史自選集〈1〉本陣殺人事件/蝶々殺人事件
横溝 正史 
こちらは出版芸術社版。豪華ハードカバー!!
作品が発表された当時の正史の随筆などが読めるので理解が深まります。
同時期に書かれていた「蝶々殺人事件」と一緒に収録されています。
ただ、「探偵小説五十年」とか持ってる人には重複してるからなぁ…
うーん。余裕があるときに揃えたい。
余談ですが、「手毬歌」だったかどの本だったか失念したけど、
ご子息インタビューが載ってます。