杉本苑子さん1996年の作品です。
鎌倉釈迦堂で、貧者にほどこしを与える慈善活動を行っている
僧侶達を描いたオムニバスです。
お坊さんが出てきますが、清廉潔白な人はいなくて、かなり人間臭いです。
テーマになっている「ボランティア」。
この「美しい行為」の矛盾点について鋭く指摘しています。
あとがきで、忍性らの活動が結局消滅してしまったことが
追加されているのも切ないです。
「持続しなかった」ということは、その思想に綻びがあった、
ということなのでしょう。
「正義」とされることが全て正しいとは限らないんだなぁ…
などなど思ったりしました。
現代のNGO/NPOを見て感じる居心地の悪さはこれだったのかと…。
表紙が地味なので損してる気がしますが、とてもよい本です。オススメです。
落とし穴―鎌倉釈迦堂の僧たち
杉本 苑子 