猫のゆりかご
カート・ヴォネガット・ジュニア 伊藤 典夫 
「私的ヴォネガット再読シリーズ」も、とうとうこの作品にたどり着いた。いわずと知れた代表作のひとつ。伊藤典夫さんによる名訳がぶいぶい冴えている。この話は浅倉さんではなく、伊藤さんで正解だったと思う。乾いたタッチ、クレイジーすぎる登場人物たち。猫、いますか。ゆりかご、ありますか。
「フォーマを生きる寄る辺としなさい」...この本そのものがフォーマの塊だ。真実を見つめるのはあまりにもつら過ぎる現実。だから、無害な非真実=フォーマを見つめよう、とボコノンの書は解いている。それにしてもヴォネガットさん、どえらい宗教を作ったもんだ。無神論者・ヴォネガットの面目躍如。このタッチは、後の「チャンピオンたちの朝食」に引き継がれているように思う。好みは分かれるだろう。ナイス・ナイス・ヴェリ・ナイス。
余談:フランシーン・ペフコがこの本から登場していたのを改めて発見した。ハイホー。