百間先生 月を踏む
久世 光彦 
久世光彦の絶筆となった最後の作品。久世といえば乱歩と思っていたのだけれど、百鬼園もお好きだったんだなぁー。いや、あまり久世光彦のことは知らないのだけど。
この作品は、まったくのフィクションで、百間先生が小田原に滞在している様子を描いているもので、久世が創造する架空の百間先生の新作が何篇か挿入されている。これって乱歩でも摂られている手法だと思う。そうかー、久世光彦には百間先生はこう見えているのか、と興味深かった。けれど、わたしが思い描く百間先生とは違うなぁ、というのが率直な感想。
ラストを描く前に亡くなってしまったので、この先小説内の百間先生がどういう行動をとったのか、めちゃくちゃ気になる。久世光彦の心情をよく解している作家の方に完結編を書いていただきたい。本気でそう思う。絶筆は悶々とします。