貼雑年譜 (江戸川乱歩推理文庫)
江戸川 乱歩 
「貼雑年譜」と書いて「はりまぜねんぷ」と読む。「探偵小説四十年」でしきりに引用されていたものだ。乱歩が残したスクラップブックを抜粋・スキャンして1冊にまとめたもの。なかなか大判の本で、当時の新聞の切抜きなどもリアルに再現されていて面白い。乱歩は自分のことが本当に大好きだったんだなぁと思った。新青年の新聞広告はとても面白い。「横溝君の文」とか鉛筆で注釈があったり、楽しい。個人的には夢野久作のファンなので、彼の小説が結構ひんぱんに掲載されている見出しを見るのは嬉しい。
乱歩自身はいろんな思いで貼雑帳を作ったと思うが、無責任な読者のわたしは、その当時の空気を感じ取る、ちいさなタイムカプセルのように楽しませていただいている。いい本だと思う。とても。強いて欲を言えば、カラーで再現してほしかった。