どろぼう熊の惑星 (ハヤカワ文庫SF)
R.A. Lafferty 浅倉 久志 
じつは先に読んだ「九百人のお祖母さん」は面白いことは面白かったのだが、「爆笑する」という感じはしなかった。シュールさを味わう感じじゃないのか
なぁ、というのが感想だった。そして次に「どろぼう熊の惑星」に進んだ。うむ、こっちのほうが読みやすいかな。相変わらず、血は出てくるし、残酷な描写も
多いなぁ、シュールだなぁ。
...... と思っていたのだが、途中で「かちっ」とスイッチが入った。ああ、そうか! 味わい方を掴んだ瞬間だった。ラファティ・スイッチが入った途端、面白いのレベルがぎゅーんと上がった。
この「ほら吹きおじさん」の軽妙な語り口のおかげで、残酷な描写もちょちょいのちょい!というところだろう。たとえるなら、グリム兄弟やアンデル
センか。ラファティという作家の作品は、いつか伝承される類のものになるだろう。小鳥が千年に一回の割合で巨大な岩をつつきにくるペースで、大きな穴があ
く頃に。
求む、復刊。