山魔の如き嗤うもの
三津田信三 
「やまんまのごときわらうもの」と読む。刀城言耶シリーズ第4弾で、私自身は前回の「首無の如き祟るもの」に引き続いて2冊目となる。寝る前にいつもの感じで読んでいたのだが、読み止めるタイミングが掴めずに困るほど、次の展開が面白かった。エンターテインメントとはこういう本のことを指すのかも。
全体を覆う禍々しさもよい。夜中に読むと、結構怖いよ。山中のロッジとか、それこそ郷里で読んだらきっともっと怖いだろうなぁ。ああ、都会でよかった。成人の儀式で山を越える云々という導入は、「首無」にシチュエーションが近いので「あれ?これ読んだっけ??」と一瞬思った。が、そんなことはともかく、ぐいぐい引き込まれる。特に、父と子のありようについて、言耶自身が抱いているジレンマにもスポットが当たって、より深みが出ていい感じだと思った。金田一耕助を思い起こさせるところがあるが、キャラクター設定に今後も深みを増し、より個性的になってゆくことだろう。期待したい。
それにしても、「首無」でチラと触れられていたエピソードの織り込み方が心憎い!