クリムゾン・ルーム
高木 敏光
一気に読ませる面白さがある。エンタテインメント性に富んだ力作。虚実入り乱れた感じがいい。
が、登場人物とエピソードが多すぎたきらいがある。たとえば、序盤で起きた出来事が、本編の重要な伏線なのかと思ったら、結局そうでもなかった、とか。途中でオカルト風味に話を展開したが、これがラストに生かされてないのはどうしたことかと思った。「憑いているなにか」にしても、「蕁麻疹」にしても、ラストに結局つながらなかった。不気味さや怖さを演出するなら、梁川がラストで働いた仕事だけで十分威力があったと思う。あと、どうしても気になったのが女性の言葉使い。これが昭和30年代の小説を読んでいるようで、違和感があった。しかしながら、キーパーソンであるKの描写はものすごくよかった。Kについてはもっと掘り下げてほしかったかも。
全体としては、若干とっちらかった印象がぬぐえなかった。次回作に大きく期待したい。