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ソラリスの陽のもとに(Solaris)

スタニスワフ・レム、1961年の作品。映画「惑星ソラリス」と「ソラリス」の原作である。ハヤカワ版が1977年刊行(訳は飯田規和)なのに対し、国書刊行会版(コチラのタイトルは「ソラリス」。訳は沼野充義)は2004年。国書版はポーランド語原典からの新訳版で、ハヤカワ版はロシア語版を原典としたので、少々内容が異なるらしい。が、特に結末に大きく影響を及ぼすようなことはなく、冗長すぎるきらいのある部分がカットされてるのがロシア語版という情報だった。どちらを手にするべきか少々迷ったが、長く読まれているハヤカワ版を手にした。

長い物語であるし、ソラリスの「海」についての描写や研究書については相当ページを割いているが、登場人物たちがソラリスにやってきた経緯などは深くは語られていない。この曖昧さが却って50年近く昔の物語の劣化を防いでいるのかもしれない。そして、描写が非常に美しい。「海」の描写のなんと美しいことだろう。恋人・ハリーの描写のなんと儚いことだろう。

読み始めのとき、わたしは「地球的な価値観で」ソラリスを当てはめて、ひとつ謎解きでもしてやろうといった気持ちでいた。しかし、そもそもそれが大きな間違いだった。ラスト、ソラリスの海での体験の描写は、圧倒的な美しさだと思う。それから、恋する人にもオススメの小説。泣けます。

コメント (2)

タルコフスキーによる映画化作品が公開された際に、あの素晴らしいラストを何故に改変したのだろうかと手塚治虫が評していた事が、思い出されます

>viewbooさん、
手塚治が!? そうだったんですね。
2003年版の映画もラストが違うらしいですし。
映画はハッピーエンドなり、成果を出すなりしないといけない、ということなのでしょうか。
(とすれば、あまりにも「ソラリスの理念」に反する気が……)

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2008年10月28日 22:28に投稿されたエントリーのページです。

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