スローターハウス5 [DVD]
ジョージ・ロイ・ヒル


原作の大ファンなので、とても嬉しいソフト化だった。映像で再現されるエピソードの背景を、原作から脳内補完して観てしまうので、わたしはよい鑑賞者ではなかったと思う。が、「補完しないと理解できない」とも言えるのかもしれない。たとえばワイルド・ボブやハワード・W・キャンベル・ジュニアが登場するシーン、彼らがどういう人なのかがわかったのは原作を読んだ人だけだろうし、検眼医としてのビリーの描写がないので(診察のシーンとか)、彼が復員後何をしていた人かがわからない、などなど。また、字幕スーパーで観たのだが、役者たちの会話から推測しても、コトバをはしょりすぎの感があった。吹き替えで観た方が良かったかな。
この映画は、人生において「もしあのとき~~だったら」と後悔したり、過去を改変するのではなく、悲しいことやつらいこと、理不尽なことも含めて、全てを受け入れることを説く物語だと思う。この辺り、映画での表現はなかなか難しいものがあると思う。が、飛行機に乗ったときに、フライトを止めようとしたビリーの描写は、淡々と人生を受け止める彼の生き方において唯一、人間臭さがにじみ出た重要なシーンだと思った。
映像の美しさは息をのむ。そして、あのラストシーン、わたしは大好きです。