ノパルガース
ジャック・ヴァンス
自称(若干他称)伊藤・浅倉チルドレンとしては、伊藤典夫新訳の文字が躍るだけでも手に取らないわけにはいかない。というシンプルな理由で四の五の言わずにさっさと入手して読み始めたジャック・ヴァンス。
......えーと。
いや、結構おもしろかったのだ。短い時間でさくっと読めるし、途中の二人の学者同士の試行錯誤はなかなか読ませる。うーん、もっとはっきり言えばおもしろかった。ただ、この作品単体で文庫化するのはどうなのかなぁといった印象。他のヴァンス作品か、もしくは「バカSF傑作選」みたいなアンソロジーとかで、分厚い本に収録するうちの一篇にするくらいのほうがよかったような、という印象。
ただ、これを発掘した訳者の真意については、あの時代の古き良きSFを愛好した人にしか理解し得ないのかもしれない、とも思った。相変わらず熱い訳者あとがきを読んで、なんとなくそんな気も。や、たまにはいいかもしれない、こういうのも。