あなたのための物語 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
これはすごいと思った。ページを繰る手が止まらない。文章も巧み、会話も洒脱、設定も本当に近未来はこうなるんじゃないかと疑う余地がないように感じた。
死がモチーフに選ばれたこの小説は、ジャンルは違うけれど先日読んだアイラ・モーリーの「日曜日の空は」を思い起こされる。あの本で耐えた重苦しさを、今度は当事者の側から疑似体験するような本だった。カバーの白さにはこんな意味があったのかと装丁をしみじみ眺めた。切ないけど、ラストには救いを感じた。よかった......。
冒頭の壮絶な死の描写。すさまじいとはこのことだろう。