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カート・ヴォネガット : 文 / アイヴァン・チャマイエフ : 画 / 浅倉 久志 : 訳

ヴォネガットが唯一残した絵本で、クリスマスシーズンに合わせてなんと国書刊行会が発売した。さすが国書、造本に妥協無し。非常にリッチな仕様の大きな大きな絵本。文字ページは黒い背景。反対側のページの色がその黒に反射して、とても美しい。この美しさはこの判型だから堪能できると思う。小さなお子さんにもぜひ見て欲しい。美とはこういうことなんだろう。
ところで、ヴォネガットと言えば無神論者としてつとに有名(ただし、ヴォネガットは人が宗教を持つことは否定しない。彼の友人が、ずっと抱いていた信仰を戦争によって失ってしまったことを嘆いたこともあった)。そんな作家が描くクリスマス絵本は、造物主を取り巻くできごとが淡々と綴られている。この「起こった事柄に逆らわず流される」キャラクター描写が、いつものヴォネガットらしくていいなーと思った。浅倉久志氏の訳もヴォネガットらしさに満ちてたし。