異星人の郷
マイクル・フリン 嶋田 洋一

上下巻あるので、読み応え十分。中世ヨーロッパに不時着した異星人との交流の物語である。何と言っても、丁寧に描かれた14世紀のドイツの描写がすばらしい。また、折々に差し挟まれる現代パートが良い具合に物語を引き締めてくれる。発端は現代パート。「アイフェルハイム」というドイツの小さな村が、ある時代を境に突如うち捨てられてしまったのは何が原因だったのか……。この謎を探るところから、物語が始まる。
キリスト教が生活の規範となっている14世紀ヨーロッパの常識と、クレンク人の価値観。21世紀の現代人にとって、どちらも異邦人のように感じた。専門用語が飛び交う現代パートが難解であったが、ラストが実に人間味に溢れていてよかった。そして、14世紀パートを大きく支える主人公・デイートリヒの心の動きは、読み手にとっても大きな慰めになっていたと思う。 中世ヨーロッパとは、想像以上に理性的な時代であったことにも驚いた。
それにしてもペスト怖いよぅ。
