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2012年の読書記録

実は昨年は読んだ本の記録をほぼ忘れていたため、12月に入ってから必死になって読書メーターにつけました。これはよくありません。ダメです。今年はちゃんと付けていこうと思います。抜けがあるような気もしますが、多分こんなかんじです。去年は『現代作家ガイド6 カート・ヴォネガット』の執筆に8月いっぱい忙殺されていたので、資料の読み込みがメインで読書ができなかったのです。今年は読むぞー!

2012年の読書メーター
読んだ本の数:28冊
読んだページ数:11101ページ
ナイス:74ナイス
感想・レビュー:26件
月間平均冊数:2.3冊
月間平均ページ:925ページ

パラダイス・モーテル (創元ライブラリ)パラダイス・モーテル (創元ライブラリ)感想
騙りの物語。最後まで見抜けなかった。見抜けなくてもいいとおもった。その過程がどこまでも残酷で、美しくて、グロテスクだったから。
読了日:2月20日 著者:エリック・マコーマック
密室の如き籠るもの (講談社ノベルス)密室の如き籠るもの (講談社ノベルス)
読了日:2月20日 著者:三津田 信三
絵のある自伝絵のある自伝感想
挿絵がオールカラーという豪華な一冊。子供時代はどんどん後ろへ追いやられ、過去は遠い思い出となる。その瞬間は言葉とスケッチで描きとめられて、一冊の本となって結実している。いたずらごころも満載。ずっとお元気でいてください。
読了日:3月20日 著者:安野 光雅
幽女の如き怨むもの (ミステリー・リーグ)幽女の如き怨むもの (ミステリー・リーグ)感想
いつもの刀城言耶ものとは趣向が違って、すごく挑戦的な試みをしていると思った。時代を経て移り変わっていく遊女の描写は凄みを感じた。あとからじわじわくるような物語。
読了日:7月31日 著者:三津田 信三
かめくん (河出文庫)かめくん (河出文庫)感想
二度目のかめくん。やっぱり切ない気持ちになる。大好きな本。おかえり、かめくん。
読了日:8月20日 著者:北野 勇作
都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)感想
今年一番の収穫。ハードボイルドなテイストがたまらない。都市のありようの不思議さに、どっぷり浸りたくなる。登場人物が皆魅力的。無骨で、クールで、ホットで。再読したくなる。
読了日:8月30日 著者:チャイナ・ミエヴィル
物語のルミナリエ: 異形コレクション (光文社文庫)物語のルミナリエ: 異形コレクション (光文社文庫)感想
読み応えのあるショートショート集だった。密度がすごい。特に被災した作家さんの作品は、どれも凄みがあった。
読了日:9月1日 著者:
Delivery (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)Delivery (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)感想
希望がない世界でも、生きていくんだな。終わりが始まったとしても、終わりの物語が始まるということなのかな。結構体力を奪われました。
読了日:9月10日 著者:八杉将司
Type:STEELY タイプ・スティーリィ (上) (幻狼ファンタジアノベルス)Type:STEELY タイプ・スティーリィ (上) (幻狼ファンタジアノベルス)
読了日:9月15日 著者:片理 誠
心のナイフ 上 (混沌の叫び1) (混沌の叫び 1)心のナイフ 上 (混沌の叫び1) (混沌の叫び 1)感想
つ、つかれた。。。
読了日:9月15日 著者:パトリック・ネス
たんぽぽのお酒 (ベスト版文学のおくりもの)たんぽぽのお酒 (ベスト版文学のおくりもの)感想
夏が終わる季節に。「永遠に生きよ!」と子供時代にカーニバルの魔術師に言われたブラッドベリの価値観がここにある。生と死を真正面から受け止めるみずみずしい感性は、大人になった今こそ心に沁みる。
読了日:9月15日 著者:レイ ブラッドベリ
Type:STEELY (下) (幻狼ファンタジアノベルス)Type:STEELY (下) (幻狼ファンタジアノベルス)感想
すごく面白かった! ディストピア疲れでぐったりしそうだったけど、ホントにあのラストには救われた。読後感が良かった。
読了日:9月16日 著者:片理 誠
心のナイフ 下 (混沌の叫び1) (混沌の叫び 1)心のナイフ 下 (混沌の叫び1) (混沌の叫び 1)感想
つ。つかれた。。。マンチーがあんなことに!!! 結局救いがない気がする。というか、ええ、そこで終わりなのかい!?というところで終わった。続編が気になるけど、すごく体力気力が要ると思った。
読了日:9月16日 著者:パトリック・ネス
ついてくるもの (講談社ノベルス)ついてくるもの (講談社ノベルス)感想
三津田さんは長篇が私は好きなのだけど、この『ついてくるもの』は過去のい短篇集の中ではダントツだと思った。とくに表題作、怖い。素晴らしい!
読了日:9月20日 著者:三津田 信三
さよなら僕の夏さよなら僕の夏感想
『たんぽぽのお酒』の世界観を踏襲しながら、子供から大人へなっていくほんの僅かな瞬間を捉えた傑作。やはり生と死は、ブラッドベリにとって永遠のテーマだったのかなと思う。さよなら、ありがとう、ブラッドベリ。
読了日:9月25日 著者:レイ・ブラッドベリ
10月はたそがれの国 (創元SF文庫)10月はたそがれの国 (創元SF文庫)感想
10月の季語とまで言われている(かどうかは不明)。わたしがもっている版はムニャイニによる美しい装画が素敵な古い創元文庫。今年、ブラッドベリ逝去を思い、読み返した。「骨」は何度読んでも怖い。淡々と密やかに語りかけるような文体は、去りゆく秋にしっくりとマッチする。
読了日:10月20日 著者:レイ・ブラッドベリ
リヴァイアサン クジラと蒸気機関 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)リヴァイアサン クジラと蒸気機関 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)感想
おもしろかった! 挿絵がこれまたいい味を出している。ダーウィニストと機械文明のそれぞれの世界で描かれる少年と少女が徐々に邂逅してゆく描写がステキだ。映像で見てみたい。
読了日:10月30日 著者:スコット・ウエスターフェルド
ブラッドベリ、自作を語るブラッドベリ、自作を語る感想
ブラッドベリが大好きだ。若いころのインタビューと比べて読むと、彼自身深みを増していることがわかる。言いたいことをズバッといってのける小気味よさも痛快。改めて、合掌。
読了日:11月1日 著者:レイ・ブラッドベリ,サム・ウェラー
カラマーゾフの妹カラマーゾフの妹感想
いやもう、びっくりした。ものすごーーーく面白かった。『兄弟』が未読だったけど、十分面白かった。けれど、細部がやはり気になったので『兄弟』を読んで再び読了。もっと楽しめた。「カラマーゾフ的」を高野流に消化するとこういう形になるのか。登場人物のネーミングも素晴らしかった。
読了日:11月15日 著者:高野 史緒
ブラックアウト (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)ブラックアウト (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)感想
うーん。ちょっと風呂敷広げすぎな気がする。しかし厚いね~。
読了日:11月19日 著者:コニー・ウィリス
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)感想
『カラマーゾフの妹』が面白かったので、こっちに着手。序文で爆笑したのは『妹』効果。
読了日:11月25日 著者:ドストエフスキー
カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)感想
イワンの『大審問官』とゾシマ長老。ここは気合で読み切る。例えるなら『ドグラ・マグラ』のアホダラ教に当たる部分だと思った。神を信じるもの、神を信じない者の2方向からの視点。スカラカチャカポコ。
読了日:11月26日 著者:ドストエフスキー
カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)感想
満を持してミーチャ登場。時系列で事を起こしていくミーチャ。ああーバカだなぁと内心ツッコミを入れつつも、ミーチャにハラハラしっぱなしだ!!
読了日:11月27日 著者:ドストエフスキー
カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)感想
子どもたちの話に、イワンが話したあのエピソードが。そういうデジャヴのような展開が不思議な印象。裁判はああっ、なんとなんと、とおもうどんでん返しが続く。厚いのに手放せなかった。
読了日:11月29日 著者:ドストエフスキー
カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻 (5) (光文社古典新訳文庫)感想
エピローグはあっけないけれど、そうか~と思った。解説では地図がすごくためになりました。あー面白かった。「第二の物語」が描かれなかったことは残念。
読了日:11月29日 著者:ドストエフスキー
日本アパッチ族 (ハルキ文庫)日本アパッチ族 (ハルキ文庫)感想
ラスト数ページにて、さらりと書かれていることが結構ヘビーでぎょっとした。迫害と蜂起を経て、淘汰と粛清の後、文化を生み出すほどに成熟するまで100年がかかる、と。うーむ。すごい物語だ。
読了日:12月18日 著者:小松 左京
クラゲの海に浮かぶ舟 (徳間デュアル文庫)クラゲの海に浮かぶ舟 (徳間デュアル文庫)感想
北野さんがTwitterで、高橋幸宏の「Xmas day in the next life」がネクストライフ社の元ネタ、と書いておられたので再読。ムーンライダーズやヴァージンVS、シュガーベイブらの歌詞やタイトルをもじった言葉遊びが光る。自己の記憶をたどらざるを得なくなる主人公が、その先に見つけるものは虚だったりする。「来世」を北野流に調理すると、こんな切ない物語になる。
読了日:12月26日 著者:北野 勇作
屍者の帝国屍者の帝国感想
この設定は、ファンタジーにもドタバタ系にもバカSFにも転じる可能性があったと思うのに、それを抑えこんだ語り口は見事だった。そう、見事なんだけど、新キャラが出るたび、いちいち笑ってしまった。エンターテインメントです。
読了日:12月30日 著者:伊藤 計劃,円城 塔

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2013年1月 1日 13:15に投稿されたエントリーのページです。

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