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E.A.ポー アーカイブ

2009年6月 3日

黒猫・アッシャー家の崩壊

黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集〈1〉ゴシック編 (新潮文庫)
Edgar Allan Poe 巽 孝之
4102028048

エドガー・アラン・ポー生誕200年を記念して編まれた短編集。

巽先生による訳文は、ポーのゴシック世界にピッタリで、まさに豪華絢爛。これまでポーの名前は常識的に知っていたのに、実は読んだことがなかった。初めて触れるポーの「黒猫」は、怖いの一言だが、どこかで読んだような気がするのは何故だろう。それにしても、幻想怪奇という言葉の源流はここにあったんだなぁと、ほぅとため息をつきながら一篇一篇を丁寧に読んだ。

ポーがそんなに昔の人であったことに改めて驚く。ポーが生きた時代には、暗闇がそこかしこにあって、幻想がいつも隣り合っていたのだろう。「ウィリアム・ウィルソン」で描かれた、へんぴな村の描写の陰鬱さにぞくぞくした。(昼間とは思えない!)

2009年6月19日

モルグ街の殺人・黄金虫

モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集〈2〉ミステリ編 (新潮文庫)
Edgar Allan Poe 巽 孝之
4102028056

ポー短編集のミステリ編。手放しで面白い! 夢野久作ら新成年系の探偵小説にどっぷりだった頃の感慨を思い返した。これは折を見ては読み返したくなるに違いない。怪奇色もモチロンたっぷり、小説を「堪能する」といったことばがこれほど似合う作品に巡り会ったのは久しぶりだった。CDとかだと「捨て曲なし!」といったところ。捨て話なし!どれも面白い。「モルグ街」でデュパンに対し「わたし」が「ツッコミを入れ」る、といった訳文に、内心ツッコミを入れたのはナイショだ。いや、なんかこう、筆が乗ってる訳文っていうのは読んでて気持ちがいいもんです。

2009年9月 8日

エドガー・アラン・ポーの世紀 生誕200周年記念必携

エドガー・アラン・ポーの世紀 生誕200周年記念必携
八木敏雄・巽孝之 編
4327472190

来る2009年9月19日~20日のポー大会に備えて読了。とてもおもしろかった。一つ一つの項目がコンパクトにまとめられ、まるで講演会を傍聴しているような感覚で読み終えることが出来る。引用された文献の紹介も丁寧で、興味に応じて当たることが出来る。

わたしが特におもしろいと感じたのが、ラストの「現代のポー・ブックガイド」で、ポーの影響とは書き手ではなく読み手の目のことを指す、と説かれていた点だ。これが目から鱗で、きっと誰もがそれぞれの読書体験の中からそれぞれのポーを見いだしたのではないかと思う。わたし自身、「群衆」を扱うポーについては、ゴダイゴの「孤独な面影(A FACE IN THE CROWD)」(アルバム「Deadend」収録)を思い出した。この曲は、群衆の中の表情のない男とは自分自身であった、と実にポー的な世界観を描いている。(作詞は奈良橋陽子。)また、江戸川乱歩をモチーフに小説に仕立てた久世光彦「一九三四年冬―乱歩」も忘れがたい。この小説には、乱歩が横恋慕する美貌の人妻、アナベル・リーが登場し、そこに描かれる、昭和の初めのホテルの描写は、ポー的であると言っていいと思う。

そんなことをいろいろ語りたくなるような一冊。まさに「必携」書であろう。

DEAD END
GODIEGO
B0012IU25C

一九三四年冬―乱歩
久世光彦
4101456216

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