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G.ウルフ アーカイブ

2007年9月13日

デス博士の島その他の物語(The island of doctor Death and other stories and other stories)

デス博士の島その他の物語 (未来の文学)
ジーン ウルフ :著 /浅倉久志・伊藤典夫・柳下毅一郎:訳
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読み終えるのに、えらく時間がかかった一冊。
普段の3倍近くかかった気がする。
なんといっても、飛ばし読みができない内容だし。
ささいなエピソードも、もしかしてなにかの複線ではないかと勘ぐってしまう。
実際そうだった。

一回読んだだけでは、おそらくわからない...らしい。
けど、その一回すら乗り越えるのは容易ではない。
ごりごりと、とにかくページを繰り続けるうち、
だんだんウルフの描く世界に浸ることが気持ちよくなった。

構成も秀逸だったと思う。
不可思議な余韻を残す「アメリカの七夜」のあと、
慈愛に満ちた「眼閃の奇蹟」で締めたのはよかった。
島3部作(そしてオマケつき!)も堪能した。

うん、「堪能した」というにふさわしい一冊かも知れない。
それにしても、大変な本だったなぁ。


(以下、ネタバレあります)


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2007年12月31日

今年よかった本

おそらく一種の逃避だと思いますが、今年もよく本を読んだ。古い本から新しいものまで。いろいろと。そのなかで、特に印象的だったものをピックアップ。

・「砲台島」三咲 光郎
砲台島 (ハヤカワ・ミステリワールド)
戦時下をモチーフにした作品が多い作家さんで、実を言うと、結構突っ込みどころが多い。多いのだけど、クライマックスの壮大さには舌を巻く。凄い巧いと思う。あと引く作家さん。かなりツボです。いい編集さんと組んで、時代考証や、思想、言葉遣いを徹底しながら書いたらもっといいだろうなと思う。

・「犬は勘定に入れません」コニー・ウィリス
犬は勘定に入れません...あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎
長いんだけど、めちゃくちゃ面白かった!「ドゥームズデイ・ブック」といい、「犬勘定」といい、キャラクターがすごくいい。とにかく巧い。大森望さんの翻訳もすばらしい。女性コトバが洗練されている。

・「黒いトランク」鮎川哲也
黒いトランク (創元推理文庫)
クロフツの「樽」を髣髴とさせるのは、設定が似てるだけじゃないと思う。読み終わったあと、もう一度読み返したくなる。重さとドラマがあるなー、と。それにしても、かなり複雑!そのあたりも「樽」といい勝負。

・「デス博士の島その他の物語」ジーン・ウルフ
デス博士の島その他の物語 (未来の文学)
比類なき物語!深読み必須。「アメリカの七夜」は謎だらけ。ラストの「眼閃の奇蹟」で、気持ちが救われた感じがした。短編集なのにね。一冊を通じてものすごかった。巧くいえないなぁ。ああ、じれったい。

・「デッドアイ・ディック」カート・ヴォネガット
デッドアイ・ディック (ハヤカワ文庫SF)
今年はヴォネガット逝去のショックが大きくて、著書の大半を読み返したが、なかでも「デッド」は凄いと思った。調子がいい、構成がうまい、あっと驚くサプライズがそこかしこにある。やがてページの残りが少なくなり、物語の終わりに気がつくと読者たるわたしは、寂しい気持ちになる。

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