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J.キャロル アーカイブ

2009年9月21日

木でできた海(The Wodden Sea)

木でできた海 (創元推理文庫)
ジョナサン・キャロル 市田 泉:訳
4488547133

わたしにとって2009年は翻訳モノの当たり年のようで、「木でできた海」もかなりツボにはまる作品だった。前半は息もつかせぬ展開でページを繰る手が止まらなかった。後半はちょっとトリッキーな急展開で、これまた目が回りそう。ただ、前半のペースで読み飛ばしたため、肝心なモノをどうも見落としがちだったので、読了後に半分をもう一度読み直した。

うむむ、実にすばらしい。

まるでハリウッド映画のようなドラマチックな展開と(アントニヤが首をゆっくり回すシーンは映画の予告編に出てきそう!)、内省的な描写と大胆な世界観が自然に共存している。一人称で進む物語が、ラストで三人称になる小説は多いが、今回に関しては違和感を全く感じなかった。自然な運びだった。訳もいい。(粋な会話が好きなんです)。クレインズ・ビュー3部作、他の2作も読んでみようと思う。大好きな作品。すばらしい。また再読したい。

ただ、表紙の犬は違う感じ。実は表紙を見て、もっとナイーブな小説かと思っていたら、なかなかどうして。かなり骨太な印象でびっくりした。かっこいい! 実は読んでる間、ずっとカーネーションが脳内に流れた。男らしい小説。あらく~れてあらく~れて~~♪

2009年10月 6日

蜂の巣にキス(Kissing the Beehive)

蜂の巣にキス
ジョナサン・キャロル 浅羽 莢子:訳
4488547087

先日読んだ「木でできた海」がすっかり気に入ったので、クレインズ・ヴュー三部作の第一作から読むことにした。それがこの「蜂の巣にキス」。

もうとにかく面白くて面白くて......。ずーっとずーっと読んでいたい、読むのやめたくない、そんな感じであっという間に読み終えてしまった。この物語はミステリだった。犯人捜しと動機を知る旅といえる。けど、あちこちに張り巡らした(と思われる)伏線は拾い切れていないし、途中から犯人の目星はついちゃうし(あまりにも露骨だから)、ミステリーとして出来がいいとはお世辞にもいえない。けれど、登場人物が誰もが魅力的で、なによりクレインズ・ヴューがすばらしい。特別な場所じゃない、急行の止まらない寂れた郊外、だけどなんてこの町には魅力があるんだろう。ミステリとしては及第点は難しいけど(しかもあっけない幕切れ)、大ラスの最後の最後のやりとりはすっごく好き。

ジョナサン・キャロル、すっかりはまったー。

2009年10月24日

薪の結婚(The Marriage of Sticks)

薪の結婚 (創元推理文庫)
Jonathan Carroll
4488547125

クレインズ・ヴュー三部作の二作目。ダークファンタジーとしての手腕炸裂、といった感じか。これも面白かった。結局三部作全部を読んだけど、通して登場するフラニー・マケイブの魅力に大きく支えられてるなぁと感心した。もっと続きが読みたいけど「木でできた海」のラストがああいう形では、もう続編は難しいかなぁ。と、総括的な感想になってしまった。キャロルは制覇していこうと思う。いや、すばらしい。

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