木でできた海(The Wodden Sea)
木でできた海 (創元推理文庫)
ジョナサン・キャロル 市田 泉:訳 
わたしにとって2009年は翻訳モノの当たり年のようで、「木でできた海」もかなりツボにはまる作品だった。前半は息もつかせぬ展開でページを繰る手が止まらなかった。後半はちょっとトリッキーな急展開で、これまた目が回りそう。ただ、前半のペースで読み飛ばしたため、肝心なモノをどうも見落としがちだったので、読了後に半分をもう一度読み直した。
うむむ、実にすばらしい。
まるでハリウッド映画のようなドラマチックな展開と(アントニヤが首をゆっくり回すシーンは映画の予告編に出てきそう!)、内省的な描写と大胆な世界観が自然に共存している。一人称で進む物語が、ラストで三人称になる小説は多いが、今回に関しては違和感を全く感じなかった。自然な運びだった。訳もいい。(粋な会話が好きなんです)。クレインズ・ビュー3部作、他の2作も読んでみようと思う。大好きな作品。すばらしい。また再読したい。
ただ、表紙の犬は違う感じ。実は表紙を見て、もっとナイーブな小説かと思っていたら、なかなかどうして。かなり骨太な印象でびっくりした。かっこいい! 実は読んでる間、ずっとカーネーションが脳内に流れた。男らしい小説。あらく~れてあらく~れて~~♪

