見えないグリーン(Invisible Green)
見えないグリーン
ジョン・スラデック 真野 明裕 
あのスラデックがミステリ!?と少々驚いたのだが、カバー帯の鮎川哲也の推薦文に惹かれて入手した。たいへんビックリした。とても丁寧に書かれた、本格物だったからだ。導入がスローなのでどうなんだろうと思ったが、気がついたら展開が気になってしまっていた。
何と言っても、ありとあらゆることが伏線だった。見落としがあるとこれまた大変で、途中でページを繰ることしばしば。それでも、途中途中で情報を整理してくれる心配りもあり、しゃれた台詞回しもあって、秀逸なできばえに心底驚いた。個人的には、クロフツの「樽」と肩を並べる。恐れ入った。
私自身、スラデックは「グラックの卵 」に収録されている「マスタースンと社員たち」が最初だったので、SF作家と言う刷り込みだった。ところが、先日発売された「蒸気駆動の少年」にも名探偵フィンが活躍する短編が収録されているらしい。もう1つの長編 「黒い霊気」も読んでみたい。メモメモ。