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R.A.ラファティ アーカイブ

2008年3月28日

九百人のお祖母さん(Nine hundred grandmothers)

九百人のお祖母さん (ハヤカワ文庫SF)
R・A・ラファティ  浅倉 久志
4150107572

その昔、入手していたものの、度重なる引越しやらなんやらでどこかになくしてしまったラファティ。偶然、古本屋さんで上製版を発見したので(しかもリーズナブルだった!)今度は無くしませんと誓いを立てて再購入した。

当時購入した文庫の表紙は、コミカルなおばあさんのイラストがちりばめられている、とてもPOPなものだったと記憶している。Amazonの画像がないなぁ。まぁいいや。80年代、ヴォネガットにかぶれ、その訳者の手によるものだし、書店ではのきなみ平積みだし、「爆笑」って帯に書いてあるし、だったら絶対面白いに違いないと思って購入した。ところが、ちっとも頭に入らなかった。当時、グレッグ・ベアで一度SFを挫折した経験があり、2度目の挫折だったため、SFは向かないんだと決め付けてしまったのを思い出す。

ところが、20年近くたって読み返して、ようやく理解できた。グレッグ・ベアはともかく(だってあちらはハードSF)、この面白さは、大人になってわかる代物だ。表紙に騙されてはいけない。

「九百人のお祖母さん」に収録されている短編は、意図的かもしれないが、後半に行くほど、どんどんタガが外れていく気がした。収録順については、浅倉久志氏が読後感を損なわないよう配慮されているので、それは間違いないかなと思う。印象的なのは、やはり表題作(この面白さ、当時じゃ絶対わからんわ)。そして、中でもとりわけナンセンスなのに好感度が高かったのはラストの「千客万来」。「日の当たるジニー」は奇想小説の最高峰っていう感じ。関西弁の「ブタっ腹のかあちゃん」、なぜに関西弁!? すごい面白いですわ。ゼッキョー、ゼッキョー!の「町かどの穴」はシュールでドタバタ!

そしてひとつ気がついた。ラファティの書く物語の、ちょっと常識とのバランスがずれているこの感覚は、ムーンライダーズの詞に近いものがある。個人的にはそう思った。同意が得られるかどうかは自信がないが、そんな気がした。うーん、なんかめちゃくちゃ個人的な書評になっちゃったなぁ。まぁいいか。

2008年7月 1日

どろぼう熊の惑星(A Lafferty Reader)

どろぼう熊の惑星 (ハヤカワ文庫SF)
R.A. Lafferty 浅倉 久志
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じつは先に読んだ「九百人のお祖母さん」は面白いことは面白かったのだが、「爆笑する」という感じはしなかった。シュールさを味わう感じじゃないのか なぁ、というのが感想だった。そして次に「どろぼう熊の惑星」に進んだ。うむ、こっちのほうが読みやすいかな。相変わらず、血は出てくるし、残酷な描写も 多いなぁ、シュールだなぁ。

...... と思っていたのだが、途中で「かちっ」とスイッチが入った。ああ、そうか! 味わい方を掴んだ瞬間だった。ラファティ・スイッチが入った途端、面白いのレベルがぎゅーんと上がった。

この「ほら吹きおじさん」の軽妙な語り口のおかげで、残酷な描写もちょちょいのちょい!というところだろう。たとえるなら、グリム兄弟やアンデル センか。ラファティという作家の作品は、いつか伝承される類のものになるだろう。小鳥が千年に一回の割合で巨大な岩をつつきにくるペースで、大きな穴があ く頃に。

求む、復刊。

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