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R.ブラッドベリ アーカイブ

2008年7月 1日

猫のパジャマ(The Cat's Pajamas)

猫のパジャマ
レイ・ブラッドベリ (著), 中村 融 (翻訳)
4309204856

今年で御歳88歳のブラッドベリの最新短編集(上梓したのは2004年だけど)。いやもう、「ピンピンしているし、書いている」なんてユーモアとアイロニーたっぷりな序文タイトルに、読む側は降参するしかない。古い作品(1940~50年代)と新しい作品(2003~4年)が入り混じっているが、この人の辞書に「枯れる」という言葉はないのだろうか。年代の違いを感じない。この安定した筆力!

相変わらず、ぞくっとするようなお話もあれば、ほのぼのと心が温まるような一遍もある。「珠玉」というコトバが、ブラッドベリほど似合う人をわたしは他に知らない。毎晩、お休み前に大切に一篇ずつ読み終えていくのにふさわしい。一気に読むのがもったいない感じ。

が、個人的には、すごーくどうでもいいことなのかもしれないけど、「!?」と「?!」表記が入り混じっているのが気になってしかたがなかったのと、「バカ」という表記が「莫迦」となっていたのがなぜかひっかかった。とはいえ、今読んでいる別の本でも「バカ」は「馬鹿」ではなく「莫迦」なので、これが今のスタンダードなのかもしれない。いや、どうでもいいですな。

ところで、この本のカバーには耳がついている。これがまたカワイイので、ぜひ実物を手にとっていただきたい。なかなか耳を出して読む勇気は出ないが、なんだか小さな秘密を手にしているようで、楽しい気持ちがした。こういう洒落っ気、大歓迎。

2008年12月 2日

社交ダンスが終った夜に(One More for the Road)

ブラッドベリ2002年の短編集。2008年、伊藤典夫の名訳により翻訳刊行。

21世紀型ブラッドベリは、新しいエンジンを手に入れ走行距離を伸ばしている堅牢な自動車のようだ。乗り心地はどこまでもコンフォータブル。古びない感性の泉といってよい。ここ最近のブラッドベリは出版数も増えているせいもあり、邦訳も実にたくさん出ていて、ファンにとって嬉しいこと限りなしなのだけど、伊藤訳の安心感ときたら、もう別格なのだ。訳者あとがきまで、その流れをせき止めない。実にすばらしいなぁ。

この本が、文庫で出てるのがもったいないかもと思ったが、これに上質な革製のカバーをかけて、ラッピングしたら、ものすごくすばらしいクリスマス・プレゼントになるのではないだろうか。愛する人に手渡ししたらきっとステキだろう。そんな短編集だ。特に気に入ったのは「ドラゴン真夜中に踊る」「何もない土地には動く場所がある」「タンジェリーン」そして「時の撚り糸」。切なさと愛情、そしてほんの一さじの奇想。ブラッドベリの快進撃、どこまで続くのか。期待しています、スーパーおじいちゃん!

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