猫のパジャマ(The Cat's Pajamas)
猫のパジャマ
レイ・ブラッドベリ (著), 中村 融 (翻訳) 
今年で御歳88歳のブラッドベリの最新短編集(上梓したのは2004年だけど)。いやもう、「ピンピンしているし、書いている」なんてユーモアとアイロニーたっぷりな序文タイトルに、読む側は降参するしかない。古い作品(1940~50年代)と新しい作品(2003~4年)が入り混じっているが、この人の辞書に「枯れる」という言葉はないのだろうか。年代の違いを感じない。この安定した筆力!
相変わらず、ぞくっとするようなお話もあれば、ほのぼのと心が温まるような一遍もある。「珠玉」というコトバが、ブラッドベリほど似合う人をわたしは他に知らない。毎晩、お休み前に大切に一篇ずつ読み終えていくのにふさわしい。一気に読むのがもったいない感じ。
が、個人的には、すごーくどうでもいいことなのかもしれないけど、「!?」と「?!」表記が入り混じっているのが気になってしかたがなかったのと、「バカ」という表記が「莫迦」となっていたのがなぜかひっかかった。とはいえ、今読んでいる別の本でも「バカ」は「馬鹿」ではなく「莫迦」なので、これが今のスタンダードなのかもしれない。いや、どうでもいいですな。
ところで、この本のカバーには耳がついている。これがまたカワイイので、ぜひ実物を手にとっていただきたい。なかなか耳を出して読む勇気は出ないが、なんだか小さな秘密を手にしているようで、楽しい気持ちがした。こういう洒落っ気、大歓迎。