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2009年10月20日

あの頃、マリー・ローランサン

Twitterで知ったときは「何故!?」と思った。ただただボーゼンとした。加藤和彦。トノバンはいつだって飄々と音楽をしている存在だと思っていた。自殺とのイメージがつながらなかった。最近では土屋昌巳と屋敷豪太と小原礼とバンドやってるニュースを見聞きして、うわーなんだそれ!?すごいメンツだ~と思ってたくらいで、本当に全然結びつかない。

わたし自身、トノバンを聴いていたのは二十歳くらいだった。大貫妙子の「アヴァンチュール」のアレンジか楽曲提供だかをトノバンがしていたので気になって、アルバムを手にしたのがきっかけだった。それが「あの頃、マリー・ローランサン」だった。画家のマリー・ローランサン本人のことにもかなりはまっていた時期で、ギョーム・アポリネールがマリーとの悲恋を歌った「ミラボー橋」は諳んじるほど読み返した。ター坊のアルバムにもローランサン周辺にも共通しているのだけど、トノバンの音楽で描かれる恋人達や芸術家達のスタイリッシュでひたむきな姿は、丸ごと当時のわたしのあこがれだった。

あこがれは輝きばかりではなく、喪失したものへの愛惜も含まれる。トノバンの「優しい夜の過し方」、今聴いても鳥肌が立つほど感動する。

それにしても、最近になって(正直、再結成に興味が全くなかったためチェックが遅れ、ものすごーくわたし自身損してきた)YMOの、あの健やかなまでに成熟した、美しく、優しく、端正な音楽に触れたばかりで、トノバンの訃報は悲しすぎる。今の音があるはずだと思う。懐かしさではなく、経験を重ねた人だけが奏でることの出来る音が。YMOでそれを感じた。涙が出た。大きなうねりの中、変わらない淡々とした毎日を愛おしく見つめるそのまなざしは、かつてのYMOにはなかった。今の、21世紀のYMOにはそれがある。

トノバンの自死は、直接面識のないファンであるわたしにとっても断絶だった。逝ってほしくなかった。本当にそう思う。悲しくて 悲しくて とてもやりきれない、と歌ったのは誰でもないトノバンだったのに。

あの頃,マリーローランサン


アヴァンチュール

The City of Light

アポリネール詩集 (新潮文庫)

投稿者 YOUCHAN : 21:19 | コメント (0)

2009年10月17日

「東京09展」始まりました

東京09展


長いこと更新を放ったらかしてスミマセン。しかももう始まってます、e-spaceの全体展! 場所は市ヶ谷・山脇ギャラリー。今月の15日から26日まで、日曜休みですのでお気をつけください。

テーマは「東京」、ということで、わたしにとっての東京の原風景はムーンライダーズしかあり得なかったので、トリビュート展で出した「夢が見れる機械が欲しい」と「大寒町」を出そうと思っていました。が、今回、展示幅が一人あたり90センチと狭く、あの額2枚が入らないことが判明、急遽新作を一枚描き下ろしました。それが写真左側の白い額のイラスト。タイトルは「the avenues of daylight」、これはHASYMOの「The City of Light」から取ったものです。繰り返される変わらない日常を愛しく思うような、そんなテーマが今の街(=東京)に対するわたしの思いにとても近いので、これをテーマにしたイラストを起こしました。(この絵のどこが東京ですか?と聞かれたので。)

ということで、どうぞお運びください。わたし自身は20日(火)と22日(木)の14:00~18:00在廊予定です。

日程 2009年10月15日(木)~10月26日(月) ※日曜休み
時間 11:00~18:00(初日のみ15:00~18:00)
会場 山脇ギャラリー
〒102-0074 東京都千代田区九段南4-8-21
TEL:03-3264-4027
JR中央線・総武線市ヶ谷駅 徒歩3分
東京メトロ南北線・有楽町線、都営新宿線 市ヶ谷駅 A2出口より徒歩1分

投稿者 YOUCHAN : 13:06 | <