かおるぶみ
女子なので、月に一度はダウンする。
デザイナーとして勤務してた頃も、応接室を占拠してダウンしてたのを思い出す。
疲れの出やすい夕方にダウン。夜になって復活。
一昨日の夜に読了した「居候匆々」の巻末に収録されていた
谷中安規「かおるぶみ」が今になってじわじわきている。
谷中氏は戦後まもなく栄養失調で亡くなった版画家である。
「居候匆々」の挿絵を担当したのが谷中氏である縁で
その遺稿が収録されている。
人の心の温かさに触れ「愛されている」と率直に喜び、
大切に育てている南瓜の蔓が育つさまを嬉しいと綴る。
栄養失調なのに。ひとりぼっちだったのに。
でもね。
戦争のごたごたで、消息のわからなかった友にめぐり合えて、
ホントに嬉しかったんだよね。
そして、新しい仕事の依頼が来て、きっととても幸せだったんだろう。
未来がいっぱいあったんだよね。
その案件に取り掛かる前に、彼は死んでしまった。
(きっと残念だったろう)
制作に取り組める、ということは、きっとこんなにも晴れがましく、
きらきらと輝いていて、嬉しいことなんだ。
そんなことを感じた。
今は夜の10時半。
腹痛も治まった。
これから、わたしも制作に取り掛かろうと思う。
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