「冬の蝉」読了

冬の蝉

杉本苑子「冬の蝉」読了。
研ぎ澄まされた、丁寧な丁寧なコトバ。珠玉と呼ぶにふさわしい…。
特に「ゆずり葉の井戸」「冬の蝉」は素晴らしかったです。

杉本さんは、時代小説の第一人者で、
「基本はあくまでも史実に忠実」なのだそうです。
なのにちっとも堅苦しい所がなくて、しなやかにするすると入ってきます。
けれど、このよさを伝えようと、あらすじを言おうものなら、
ちょっとした言葉使いや、身分・風俗にいたるまで、
そのディティールを再現することがとっても難しいです。

まだ現役の作家さんという点もウレシイです。
他の本も読んでみたいと思いました。