なにが面白かった?

遅れていた案件をようやくさっきUPしました。ああもう、遅れすぎ!
厳密な締め切りがないとは言え、ちょっと遅れすぎだよなぁ。反省。
でも、とりあえず送ったのでよしとしよう。
細かい仕事が残っているけれど、あとは年明けにずれ込んでも大丈夫そう。
というより、もうクライアントが仕事納めしているので一緒なだけ。

それで、昨日の日記の続きです。
今年は例年になく本をよく読みましたが、その中でどれが面白かったかをお話します。

ノラや
ノラや

ペットロスを経験した人であれば、激しく心揺さぶられるでしょう。
ノラが失踪してからの乱れ方と、クルツがやってきてだんだん癒されてくるも、
寿命が尽きて死んでゆくクルツを取り巻く悲しみ。
喜怒哀楽が、ものすごい迫力で迫ってきます。
昭和30年代に、「家族としての猫」をまっすぐに描ききった百間先生、すばらしい。


東京焼盡
東京焼盡

東京大空襲で家を失ってしまう前夜の穏やかな日常の描写と、
焼夷弾の中逃げ惑うパニックの描写の対比がすごいです。
池澤夏樹が百間をさして「日常が生きる目的の作家」と言い表したことは
言いえて妙だと思う。この日記は傑作です。


居候匆々
居候匆々

現代仮名遣いなので、ファンの間ではとにかくちくま版は評判が悪いけど
仮名遣いに関しては仕方ないところもあるのではと思います。
(といいながら、旧漢字・旧仮名の全集を読んでるわたしですが…)
で、この「居候匆々」は、本文よりもじつは巻末の付録
谷中安規の「遺稿・かおるぶみ」が実に衝撃的です。
ささやかな幸せをより大きな幸せだと感じるアンキさんの感性は、
みずみずしいというコトバがおそらく一番当てはまる。見習うところが大きいです。
このためだけに買ってもいい一冊だと思う。
(ただし解説は駄文です。ちくま版の解説は、ハズレが多いんだよなぁ)
そして、モチロン版画もすばらしいです。
百間の本、というより、アンキさんの本といった趣。