伯母

伯母が亡くなったと、母から連絡が入った。
85歳。
大往生といえる年齢ではあるが、ここ数年
病床にあったことを思うと、やはり寂しい思いがよぎる。

伯母は私の父より20歳も年が離れている。
祖母は父を産んですぐに亡くなった。
遺影しか見たことはないが、祖母は切れ長の眼をした
とても美しい人だった。
母親代わりとなって父を育てたのが、この伯母である。
だから、伯母にとってわたしは孫のような存在だった。

愛知県一色町の赤羽という土地に住んでいたので、
「赤羽の伯母さん」とわたしたちは呼んでいた。
伯母さんの家は、わたしが通っていた高校のそばにあった。
わたしの自宅は徒歩圏内にあったが、伯母は
「ウチまで自転車でおいで。
車庫に自転車を置いて、そこから歩いて学校に行けばいい」
と言ってくれた。
3年間、わたしは公然と自転車通学をした。

伯母の口癖は「優子ちゃんは、器量がいいねぇ」だった。
そして、絶対的な私の味方でもあった。
みのさんの番組が大好きで、家の裏庭でトマトやナス、
きゅうりをたくさん育てていた。
遊びに行くと、きまってえびせんべいとお小遣いをくれた。

もう会えないのかと思うと、なんだか信じられない思いがする。
27日に、告別式。