福岡旅行

もうすぐ3月が終わりますが、終わりの終わりまで終わらない仕事もあるので、全く持って気が抜けない。かなり緊張感の強い月ではありましたが、そのピークはおそらく2日前くらいで、あとはきちんきちんと丁寧に制作をしてゆくことで、なんとか乗り切れると思っています。


そんなわけで、ばたばたしていて、日記には書けずにいましたが、2月末~3月アタマの2泊3日、懐かしい福岡に行ってきました。ひとつは、福岡の5thHotelが主催した写真コンテストに、NORIちゃんの作品が入選して、宿泊ご招待券の期限が2月いっぱいだったことと、その写真が客室に飾ってあるので、ぜひとも見に行きたい!と思ったからでした。一人いくら、という計算ではなく、一部屋に何人泊まろうとも同料金というシステムだったので、夫婦でご招待の栄誉に預かることができました。

客室に飾られた写真 客室に飾られた写真。手前はマッサージチェア。

(写真の手前にあるのは、マッサージチェアです。インテリアがモノトーンなので、全部真っ黒です)

ホテル自体は、しゃれてました。相当広い客室で、ここで暮らしたいーと思いました。たまにはホテルもいいものです。立地は、イル・パラッツォの真隣。同じ系列会社のホテルらしいですが、アルド・ロッシの設計したイル・パラッツォの威風堂々振りは、正直言って周囲のどんなオシャレな建物もたどり着けないものがありました。かなりすごい風情でした。よかった。


イル・パラッツォ建物のディティールが良くわかる写真。NORI,撮影中。 (建物のディティールが良くわかる写真。NORIちゃん、撮影中なり)


到着した当日、古巣のFOXにNORIと二人でお邪魔してきましたが、私自身は2回目なのに道に迷いました。サイトにあった地図が悪い。それを作ったY崎さんが悪い。しかも雨だし!どういうことー!? と、到着早々、ぶーぶー文句を垂れていたワタシでしたが、みなさん、いい意味でお変わりなく、いつ来ても安心できます。ここでデザイナーとして働いていたときは、事務所内に静かに流れる、ぴりぴりとした緊張感がありましたが、20年近く経った今、部外者となって訪問しても実はそれを感じます。軽口を叩きながらも、そこは変わりがない。だから安心できる。FOXには、安心できる場所でありながら、かつ変わらない緊張感のある、「怖い」場所であってほしいと思いました。

翌日は、ピーカンのいいお天気! 西の巨匠:廣さん(あ、字を伏せない)に志賀島方面に連れて行ってもらいました。やっほー! 昨日の雨ってなんなんだろー、やっぱY崎さんが悪いんじゃん!と関係ない勝手なことを思っていたら......く、くしゃみと鼻水が止まりません。せっかくの気持ちの良いお天気の中、クルマの窓を閉めていただき、ああ、とうとう花粉症発症か......と絶望感にひたりました。

志賀島
志賀島。すごいカーブです。(志賀島の入り江。すごいカーブ! 海の水がきれいです)

東区は、昔ワタシが3年ほど住んでいた町で、志賀島は、その先のほうにあります。初めて福岡に行ったとき、海が透明できれいなことに感激したのですが、NORIも同じように感動していました。景色よし、空も青くて、山も近くて、海もあって、すばらしい場所です。ぐるっと志賀島方面を回って、ドライブを堪能した後、香椎の駅まで送って下ろしてもらいました。廣さん、ありがとうございました~~! またガンダム話しましょうねー。

記憶にある香椎の駅は、チョコレート色で、クラシカルでかわいらしい駅舎でしたが、もうあれから20年近く経って、駅舎は立派な駅ビルになっていました。西鉄香椎駅も、汚い掘っ立て小屋だったのが、立派なコンクリートの高架になっていました。

鼻をぐずぐずかみながら、とりあえず唐の原まで行くことにしました。行って何がしたいということはなく、住んでいた当時、夢野久作の活動地域だった場所のそばに暮らしていたのに、近くを散策しなかったことを悔いていたので、それを晴らそうと思っていました。が、現実は、香椎の駅がビルになったり、高架になったりしたのと同じように、やはり街は変化を遂げていました。九産大前駅を降りて、少し不安な気持ちになりながら、昔住んでいたアパートの場所に行ってみることにしました。そしたら、なんとアパートが残っていました。名前も昔と同じで、人も住んでるようでした。メンテナンスも行き届いているのでしょう、そこだけが20年前と同じような佇まいで、きれいでした。管理人さん、ありがとう。

アパートを見た後、いつも通っていたコーヒー屋さんはどうなっただろうかと思い、裏道を歩いてみました。懐かしかったです。ところが、到着したお店は、もうとうの昔になくなっていて、別のお店が入り、しかもその一帯がおそらく取り壊し予定なのでしょうか、どの店舗も空いて、寂れるに任されていました。なんとなく、手持ちぶさたになって、とりあえず戻ろうか、と結局そのまま、高速バスに乗って、天神方面に戻ることにしました。もつ鍋をいただいて、その夜はお休みなさーい、でした。

昔、住んでいた場所を確かめたいという欲求がずっとあって、ようやくかなってみたものの、やはり時の流れを感じました。街も変わる。わたしだって変わっていく。思い出が心の中で育まれだしたら、もう現実を確かめてはいけない。そういうものだ、と感じました。

そんな2泊3日でした。


後日談。
発症したと思った花粉症、羽田に到着したとたん、クシャミ・鼻水がぴたりと止まりました。黄砂アレルギーだった模様です。今年の黄砂はひどいよー、と後日Y崎さんが教えてくれましたが、ほんとひどいっす。福岡在住の方々は、大丈夫なんでしょうか? わたし、絶対ムリです。福岡に行くときは、黄砂の季節は避けようと心に誓いました。