[個展準備] 線画作品

世間は大型連休、わたしは個展の準備と連休明けの仕事。働く皆様、もう孤独じゃない!

うっかり記録を忘れていたが、今回は線画作品も数点展示する。ひとつは、A0サイズと巨大なタペストリーで、テーマにしたのは「グラックの卵」。浅倉久志監修の「ユーモアSF短編集」で、これがまたすこぶる面白い。そこで、収録されている短編を一大絵巻物よろしく、スラップスティックに表現してみたが、これは線画が良く似合う。左から「見よ、かの巨鳥を」右にいくに従い、収録順に作品が進み、一番右端はお色気たっぷりの「グラックの卵」で締める。これは、階段の壁面に吊り下げることになっているので、階段を上りながら見ていただくもよし、二階から全体を眺めていただくもよし。

それから、あと2点線画を描いたが、こちらは「音楽山房」。先日、引退騒動まで出て大騒ぎになった(しかもガセだったというお粗末なオチ)フィル・コリンズの「Can't stop loving you」とスケッチ・ショウの「ekot」。この両者、音楽の方向性も全く違うが、前者はオーガニックな手触りが良く似合うことから、後者は無駄のないラインが良く似合うことから線画で表現することになった。

「Can't stop loving you」は、CDを聞いて泣いた。「Testify」がメチャクチャ気に入ったわたしは、「このアルバムはあなたの作品の中でナンバーワンだ!」と勢いファンレター(ハガキ)をフィルの所属しているレコード会社(アメリカ)に出した。そしたら、フィルの事務所(イギリス)からサイン入りの写真が送られてきた。これにはビックリしたなー。みんなもっと「Testify」を聴いたほうがいいよ。ああいう進化が、わたしは好きだ。

「ekot」は、YMOからずーと聞き続けてきた彼らが、こんなものを作ってしまったのか!とその変貌に驚き、感激した曲だった。過去の栄光に引きずられるどころか、どんどん新しい方向を見つけては進んで行き、しかもその時代の息吹に呼応しているとすら思った。ずっと聞いてきてよかったと思う。特にユキヒロは、今が一番いいような感じがする。

「音楽山房」は、自分の精神的なルーツになるものをピックアップしているため、セレクションがどこかちぐはぐな印象を受けるかもしれない。展示スペースの都合もあり、あれもこれも盛り込めなかったせいもある。が、わたしが個人的に受けた影響を、その1枚1枚に込められたら、と思う。アーティストたちへのささやかな恩返しの気持ち(届くとか届かないとかは別にして)で描いている。

ということで、さて。ムーンライダーズである。わたしの中の「東京」の原風景は、ムーンライダーズのサウンドと共にあったし、それは今も変わらない。どうするかなー。現在思案中。