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2009年12月30日
[旅行記]岡山は月下騎士団の町[11/5]
羽田のKちゃん&Hさん宅でお菓子をごちそうになっているとき、銀かぶせを外したNORIちゃんには、一刻も早く歯科医にかからねばならなかったのだが、名医が岡山にいるのを忘れるわけには行かぬ。ということで、旅程最終日まで銀冠なしでご飯を食べていたのは不自由であったろうが、もう大丈夫、この人にかかれば!
ということで、知ってる人は知っている、知らない人は知らないが、ムーンライダーズのカバーバンドを30年以上やっていて、本家も認める架空楽団ギタリストこと黒瀬歯科医であったった! また、岡山在住の友人(美人)にも来て貰った。黒瀬先生とは初対面だけど、阿房列車読者ってことで、黒瀬歯科医を待ち合わせ場所に指定したワタシであった。たむらしげる看板なのでわかりやすいし!
さぁ治して貰いましょう!
壁にはこんなポスターが。
そして20分経つか経たないうちに、銀かぶせ治して、歯石も取って貰った。すごく早い。さすが名医。わたしも歯石見て貰ったけど、「歯石のないつまんない歯」と言われた。歯では苦労したので歯磨きは結構気合い入れてますんで。ふふ。
黒瀬デンタルクリニックはたむらしげる氏のデザインである。氏とセンセイとは古い知り合いなのであった。その貴重な版下、というか原画。すっごーい。たむらファンのわれわれ、超テンション高い!!!!! 女子二人、きゃあきゃあ盛り上がる。
で、原画ショウは適当なところで切り上げて、お店に移動。そこにはスペシャルゲストが! 岡山での内田百閒研究の第一人者・岡 将男氏である。「岡山の内田百閒」の著者でもあらせられる。黒瀬先生のつてで、お忙しい中、わざわざお時間を作ってご足労頂いたのであった。ちょうど岡山阿房列車が11月8日に開催される直前のタイミングであり、その関連資料をお土産に頂く。かなり濃い話ができて、大変満足。あまりに濃くて、黒瀬さんがついて行けなくなったようであった。岡さん、ありがとうございました!!!
その帰り、ホテルまで車で送っていただくちょっと前に、もう一度黒瀬歯科医へ。「見せたいモノがあるんで」。なんだろ~?
3Fの建物の最上階の階段側の壁に、なんとも巨大な「火の玉ボーイ」の看板……? いや、違う、よく見ると「ムーンライダース」って書いてある。どうもこれは、閉店してしまったこんな名前のお店の看板らしく、それを黒瀬さんがわざわざ引き取ったモノらしい。はぁ~~。これは……。大変丁寧に再現されている。ライダーズのメンバーもこれ写真に撮って帰ったとのこと。
という感じで、短くも熱く燃え尽きた山陰山陽阿房列車の旅は幕を閉じたのであったが、翌日、岡山空港で、岡山在住の友人(誕生日がワタシと一緒)が見送亭さんを買って出てくださった。お土産に「岡山名物の焼きたてパン」を手渡してくださり、機内がとてもいい香りに満たされたのは言うまでもない。後日、偶然そのパン屋さんとはTwitterで邂逅することとなった。世間は狭い。
旅程でお目にかかったみなみなさまには、改めてお礼申し上げます。
投稿者 YOUCHAN : 22:42 | コメント (4)
[旅行記]真備は金田一耕助の町だった[11/5]
広島の町を眺める。ホテルの窓から。
ムーンライダーズファンの広島在住の友人に手渡されたお土産。わたしのパンダ好きはココまで来た。
広島を駆け足ながらも堪能したトゴルご一行さま(二人だけど)は、新幹線で岡山入りし、荷物を駅のコインロッカーに預けるとそのまま乗り換えて清音駅へと向かった。その目的は、「巡・金田一耕助の小径」ミステリウォークラリーに夫婦で参加するためである。あまりよくわかっていないNORIちゃんも行程で「本陣殺人事件」を読んで予習を済ませ、わたしも追って読み直し、完璧な二人であった。清音駅でガイドブックを購入し、スタート!!
いきなり金田一耕助顔出し写真パネルである。やる気を感じる。
町の至る所に、真備の案内パネルがあり、金田一耕助があちこちにいる。町を挙げてものすごく盛り上げている感じがすごくいい。
「本陣殺人事件」で三本指の男が最初に目撃された(という設定の)場所がここ。実在の場所を舞台に書かれているので、否応なしに盛り上がる。「本陣」読んどいて良かった!
ををを、まさに聖地!疎開宅にきたーーー!
横溝正史が疎開していた当時ほぼそのままの状態という中庭。この庭を眺めながら数々の名作が生み出されたのであった。
「上がってもええよ~」とボランティアで管理をしているおばちゃんが声をかけてくれた。ええっ、上がってもいいの!?とおののきながら、靴を脱ぐ。横溝正史が執筆していた机と、そばに置いたであろう火鉢。触ってきましたよ。感動したー。平日だったので、他にお客さんもほとんど居なくて、すごくゆっくりさせてもらった。おばちゃんは近隣の方で、これまでの金田一モノのドラマロケは全部立ち会っているらしい。休日やイベントの日になるとファンの人が大挙して押し寄せて、ゆっくり見ることもままならない、来るならあなたたちみたいに平日が一番いい、というようなことを方言バリバリでお話ししてくださいました。
これはゴールとなっている川辺宿駅の高架を支える柱。金田一耕助のシルエットがすばらしい。
これは真備の眺め。ウォークラリーはおよそ8kmの行程なのだが、チェックポイントが非常にわかりづらいところにあり、見落としがあったり、道に迷ったりした。途中、初老のご夫婦と4人のチームになって、次なるチェックポイントを探したほど。ガイドブックを持っているわたしたちに、町の人たちが「(チェックポイントは)見つかったかね~?」と何度も声をかけてくれた。かなり難易度の高いウォークラリーであったが、町を挙げてイベントを盛り上げようとしていることや、金田一耕助誕生の地を誇りにしていることがすごく伝わってきて、とっても楽しかった!
楽しかったのだが、朝10時くらいからスタートして、だんだん人けが無くなり、自販機もなくなって、おなかがぐーぐーになっても行っても田んぼ、戻っても田んぼ、の状態で道に迷ったのには、本当に困った。ようやくゴール間際で見つけたファミリーセンターで売っているたこ焼き(一皿100円!!)がどれだけ救いだったことか……。このたこ焼きを買うべく、窓口でお金を払っているときにSFマガジンからTELが入って「ヴォネガット(の短編の扉絵)、お願いします」と連絡があったときのことは、多分一生忘れないと思う。「一刻も早くお知らせしようと思って、ご旅行中とは存じてましたがお電話しました」と。ヴォネガットバカのわたしが喜ぶだろう、と急いで連絡してくれたのだ。沁みるなぁ。優しいなぁ。人ってホント優しいよ。つくづくそう思った。車止めに腰掛けて、たこ焼きとペットボトルのジャスミン茶で二人、「ヴォネガット描かせて貰えて良かったね記念」の祝杯を挙げたのであった。
岡山編は次のエントリーに続く!!!
投稿者 YOUCHAN : 22:03 | コメント (0)
[旅行記]広島食い倒れたけぇのお[11/4]
ちょっと距離感の勘違いをしていて、松江→広島→岡山を一泊づつで予定してしまったモノだから、全然ゆっくりできないー!しかし、山陽地方に行ってBOOSUKAさんに会わずに帰る訳にはいかない……ということでもないのであるが、せっかくなのでオフィスにお邪魔したいと思った。それから、修学旅行以来となる原爆資料館にはぜひ行っておきたかった。ということで、玉造温泉を朝出て、昼過ぎに広島に到着、駅直結のホテルのチェックインが13:00からOKだったので、そのままホテルへ行く。荷物をコンパクトにして、いざ平和記念公園へ!
この日はものすごくいい天気で、見上げるドームが本当にまぶしくて、正視できないほどだった。
がれきが残されていた。ぐんにゃり曲がった鉄筋があちこちにあった。
記念公園に住んでいる(?)ネコ。兄弟かな、三匹いた。人慣れしている。
花がいっぱい。誰もが熱心に碑を読んでいた。とても厳かな場所であり、市民の憩いの場でもある。
記念館は修学旅行生と団体さんがぎゅうぎゅうで、ゆっくり見たような、見れなかったような、そんな感じ。それにしても広い。展示場をいっぱい使って、丁寧に展示されていた。地下には写真展示もあり、これも見応え充分だった。
入ったときはすごく陽が高かったのに、出たら真っ暗!? タクシーを飛ばしてBOOSUKAさん(コッチのリンクではブログをご紹介、音は出ぇへんけのぉ)のオフィスへ向かった。そこでいろんなとりとめのない話しをして、お好み焼きと瀬戸内の美味しい魚介を堪能した。お忙しい中、サービス満点で出迎えてくださったBOOSUKAさんご夫妻に改めて感謝を!!!!(写真は当然無い。食べるので忙しかった(コラ))
投稿者 YOUCHAN : 21:45 | コメント (0)
[旅行記]出雲大社に行ったとさ[11/3]
その前のエントリーから果てしない時間が経過してしまったが、さすがに年は越せまいと思ったのでちゃっちゃっと更新するのだ!
ということで、闇雲にパネルを操作して眠りについたおかげで、起床タイマーを誤操作でリセットしてしまい、結局寝坊して飛行機ぎりぎりになったのはもうどうでもいいくらい遠い過去の記憶になった。出雲に行く便がすごく少ないので、寝過ごしはそのまま旅程キャンセルを意味する。が、とりあえずなんとか間に合った。空港から出雲大社まで、たいそうややこしい乗り継ぎを必要とするので緊張していたら、空港の外で大社行き直通バスが待っていてくれたのには感動した。便数が少ないおかげだったと思う。運転手さんの華麗なトークで参拝の作法などの情報も仕入れて、いざ出雲大社!
先日の大雨もあがって、すっきりとした天候に恵まれた。
出雲大社を撮るNORIちゃん。
参拝を終えて、BOOSUKAさん(広島在住の友人のイラストレーター。リンク先は音が出るけぇの)オススメのおそば屋さんへ。美味しかった~。
これまたBOOSUKAさんが教えてくれた、旧大社駅跡。建物がそのまま残されていて、出入りが自由になっている。昔の駅ってみんなこんな感じだったように思う。手入れが行き届いていて、いい感じ。すごくのんびりした。線路には機関車も置いてあった。
……と、こんな感じで出雲大社周辺の観光を終えて、そのあとは玉造温泉へ向かった。泊まったのは長楽園。ここは日本一大きな温泉があることで有名。池がそのまま温泉で、混浴(女性は巻物を身につけるルール)になっている。湯気がもくもくで、ちょっと向こうの人の顔が全然見えない。入り口は、男女別々になっているんだよ。お料理は食べきれないくらい出てきた!……と、いろいろ書いておりますが、わたしは写真を撮ってない。旅行で写真を撮るのが苦手というか、うっかり逃してしまうのだ。きっとそのうちNORIちゃんがBlogに写真をアップするに違いないので、それを待つことにしよう。温泉万歳、旅館最高!ということで一日目終了~。
投稿者 YOUCHAN : 21:22 | コメント (0)
2009年12月25日
これはジャックが建てた家(2)
ということで、前エントリーの続きで、「フロム・ヘル」とアーサー・ラッカムとの関連を発見してドキドキしたものの、肝心の本が見つからなくて、さてどうしたものかと思っていた。けれども、ちゃんとありました。しかも、ご丁寧に原著まで持っていた。あ、阿房だ……。
右が寺山修司訳の日本版「マザー・グース」、新書館。左が原著「Mother Goose Nursery Rhymes/ Rackham」、Marathon Press。ちなみに日本版は絶版、もったいない。原著はペーパーバック版が現在も手ごろな価格で売られている。
さっそくくだんのページを探してみた。
…………あれ?
なんだか違う気が……と思ったが、いやいやいや、よく見ると、やはり家の造りが似ているじゃないか。……どうやら脳内で右ページの黒く塗りつぶされたシルエットの絵と混同していたようだ。が、エディ・キャンベルの脳内にだって、そういう化学変化が起きていたかもしれないし! と無理矢理関連づけて納得することにした。
いずれにしても、ラッカムの悪魔的なタッチとキャンベルは通じていると思う。興味のある方、ぜひ双方を見比べてくださいませ。
投稿者 YOUCHAN : 23:54 | コメント (0)
2009年12月19日
これはジャックが建てた家
最近、読書Blog「書かでもの記」は、読書メーターにひとまずためておいて、それから月末にまとめて書く形にしている。読んでスグより、しばらく時間をおいてからの方が思いつくこともあるので結構これはいいと思っている。読んで程なくして記憶の彼方に行ってしまう本もあるので、一概にいいとは言い切れないけど。ということもあって、まだ「書かでもの記」には反映されていないが、この手の話しを書くタイミングも無い気がするのでコチラに。アラン・ムーアの「フロム・ヘル」である。
プロローグのラストに「ここがジャックの建てた家だ」というコマがあるが、わたしはものすごくビックリしたのだ。原典は有名なマザーグース「This is the house that Jack built」から取ったモノだと思われるが、アーサー・ラッカムが描いたイラストの家に似てないか!?
アーサー・ラッカムの本が見つからないので、これについてはまた後日必ずや見つけ出して再検討したいと思うが、読まれた人は、ここで唐突に「ここがジャックの建てた家だ」とアバーラインが呟くのが不自然だと思われなかっただろうか。補遺にもこれについての説明はなかった。
おそらくこういうことではないかと思う。「This is the house that Jack built」は、「これはジャックが建てた家 で干した麦 をたべたねずみ を殺したねこ をいじめた犬 をねじれ角で突いた牛 の乳を搾った孤独な娘 にキスしたぼろを着た男 ......」と言った具合に、一つの事象が次々に連鎖して積み上がっていくもの。
この展開、補遺にあったコミックを思い起こさせないだろうか。また、黒田硫黄氏が下巻の帯に寄せたコメントがそのものずばりという気もする。アラン・ムーアはこのマザーグースと切り裂きジャックの共通項を見いだして、エディ・キャンベルはそのモチーフを19~20世紀の代表的な英国挿し絵画家アーサー・ラッカムから引用したのではないだろうか。
このコミック、この手のしかけがあちこちにあるのではと思った。とにかくラッカム版マザー・グースを見つけなくては。それが先決だ。
投稿者 YOUCHAN : 22:58 | コメント (0)
2009年12月10日
三津田信三さんのサイン会
三津田信三氏と言えば久しぶりにはまった作家さんで、新作が出れば迷わず手が伸びる。物故作家のファンばかりしていると、こういう楽しみがないよねとしみじみ実感したのがトークショー&サイン会である。
ジュンク堂書店に電話で申し込みをして、新作の「水魑(みずち)の如き沈むもの」の取り置きもお願いしておいた。トークショウ当日、ちょっと早めに書店に行って整理券と共に本を受け取り、会場へ向かう。トークショウはあっという間に定員になったらしく、三津田人気を実感した。
登場した三津田さんは黒のタートルネックにジャケットと言った出で立ちで、スマートな印象。柔らかい関西弁で、終始穏やかだった。それにしても驚いたのが、三津田さんはプロットを書かないということ。イラストで言えばラフを描かないってことで、確かにそういう人はいるけれど......、いや~~すごいなぁ。そして、書きたいものや構想が、三津田さんのアタマの周囲にむくむくと取り巻いているような印象も受けた。作家というのはこういう人のことを指すんだなぁ。書かずには居られないのだ。三津田さんが作家としてまだ売れない頃、それでも毎日机に向かって一日に20枚のペースで書き進めていたそうだ。(一日20枚はペースとしては早いとのこと。通常で13~4枚)「いつか書きたいと言い続けている人がたまにいるけれど、そんなことを言ってる間になぜ書き出さないのか」とも。まさにプロの言葉だと思った。ジャンルを超えて勉強になる。とても濃密でいい時間だった。
サインの際に、プレゼントというか、Thinking Power Notebookの詰め合わせをお渡ししたワタシ。使っていただけたら嬉しいなぁ、と。受け取っていただけて良かったなぁ。ところで、このサインの列に並んでいると、取材を終えて会場に文字通り駆けつけた野良猫エディターさんの姿が見えたので、手を振って合図。サイン後、野良猫エディターさんと共に、会場内のテーブルにずらりと置かれた刀城言耶シリーズを差しながら、この本はラストがスゴイだの、これは面白いだの、勝手に女子二人キャーキャー盛り上がったのであった。
投稿者 YOUCHAN : 19:47 | コメント (0)
2009年12月 4日
グリーティングカードの仕組み
SUGARさん主催のクリスマス&ニューイヤーカード展の情報をやっとこさUPしましたが、コチラではそのカードの仕組みを1点だけですが紹介します。今回、グリーティングカードとポストカードを3種ずつ出してまして、購入できます。売り切れ御免。で、そのグリーティングカードはこういう形状です。内側にメッセージを書いてくださいね。